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二重パッチム(겹받침)

2026年9月27日(更新:2026年10月7日)

パッチムには、ㄳ・ㄵ・ㄶ・ㄺ・ㄻ・ㄼ・ㄽ・ㄾ・ㄿ・ㅀ・ㅄという、2つの子音字を並べて書く11種類があります。書き方は2文字でも、発音されるのは(ㄶ・ㅀなどの例外を除き)基本的にどちらか一方だけです。

原則の読み方

パッチムの代表音は7つの音にまとまりますが、二重パッチムでもこの原則は変わらず、決まったほうの子音だけが代表音として残ります(표준 발음법 제10항・제11항)。ㄳ・ㄵ・ㄼ・ㄽ・ㄾ・ㅄは前の子音(ㄱ・ㄴ・ㄹ・ㅂ)を、ㄺ・ㄻ・ㄿは後ろの子音(ㄱ・ㅁ・ㅂ)を残します。

原則の読み方
書き方発音例
ㄳ・ㄵ・ㄼ・ㄽ・ㄾ・ㅄ前の子音(ㄱ・ㄴ・ㄹ・ㅂ)を残す넋[넉]、앉다[안따]、여덟[여덜]、값[갑]
ㄺ・ㄻ・ㄿ後ろの子音(ㄱ・ㅁ・ㅂ)を残す닭[닥]、삶[삼ː]、읊다[읍따]

ㄶ・ㅀのㅎは、後ろの音によって次のように変わります(표준 발음법 제12항)。ㄱ・ㄷ・ㅈが続くときだけ、ㅎが後ろの子音と結び付いて激音(ㅋ・ㅌ・ㅊ)になります。많다(多い)の많고は[만코]、잃다(失う)の잃지は[일치]です。ㄴが続くときはㅎが消えて、많네は[만네]になります。ㅅが続くときはㅅが濃音のㅆになり、많소は[만쏘]です。母音で始まる語尾が続くときはㅎだけが消えて、ㄴ・ㄹが残ります。많아は[마나]、잃어は[이러]です。

覚えておきたい例外

밟다(踏む)だけは原則と違い、前のㄹではなく後ろのㅂを残して[밥ː따]と発音します。넓다(広い)は原則どおり前のㄹを残して[널따]ですが、넓죽하다・넓둥글다のような一部の複合語では後ろのㅂを残して[넙쭈카다]・[넙뚱글다]になります。動詞・形容詞の語幹のㄺは、後ろにㄱで始まる語尾が続くと、原則と逆に前のㄹを残して発音します。읽거나(読んだり)は[일꺼나]、맑게(澄んで)は[말께]、묽고(薄くて)は[물꼬]です(표준 발음법 제10항・제11항)。

この例外は、後ろに続く語尾がㄱで始まるときだけに限られます。읽지 않다(読まない)の읽지のように、ㄱ以外の子音で始まる語尾が続くときは、この例外は当てはまらず、原則どおりㄱを残して[익찌]と発音します。語尾の頭の子音まで見てから発音を決める必要がある、という点が二重パッチムの中でも特に間違えやすいところです。

母音が続くときの読み方

二重パッチムの後ろに母音で始まる助詞や語尾が続くときは、代表音の規則ではなくパッチムの連音化が働き、2文字とも発音されます(ㄶ・ㅀはㅎが発音されず、ㄴ・ㄹだけが移ります。上の제12항)。値段を意味する값に이(〜が)が付いた값이は、代表音の[갑]ではなく、後ろのㅅが이に移って[갑씨]になります。읽다に어요(〜ます)が付いた읽어요も、ㄺの後ろのㄱが어に移って[일거요]になります。子音で終わるか、母音が続くかで、同じ二重パッチムでも読み方の決め方自体が変わります。

日本語との違い

日本語にはパッチムのように音節の終わりに子音字を書く仕組みがなく、音節の終わりに来る音は撥音のんと促音の小さいっの2種類だけです。韓国語の二重パッチムは、書いた2文字のうちどちらを読むかを覚える必要があり、さらに밟다・넓-のように単語ごとの例外や、動詞・形容詞の語幹かどうかという文法的な条件まで関わります。日本の学習者向け教材にも、읽다のㄺを原則のㄱではなくㄹで発音する韓国人が多いという注記があり、実際の発話には決まりどおりにいかない部分があります。

練習問題

  1. 넋・닭のうち、後ろの子音を残して発音するのはどちらですか。
  2. 밟다の正しい発音を書いてください。
  3. 읽거나のㄺは、どちらの子音を残して発音しますか。
答え
  1. 닭(ㄺは後ろのㄱを残す)
  2. [밥ː따]
  3. ㄹ(後ろにㄱで始まる語尾が続くため)

読みものの練習は読みもの一覧にあります。

参考にした資料

  • 표준 발음법 제10항・제11항・제12항・제14항(東京外国語大学 최영길 선생님サイト内)「'밟-'은 자음 앞에서 [밥]으로 발음하고... 다만, 용언의 어간 말음 'ㄺ'은 'ㄱ' 앞에서 [ㄹ]로 발음한다」「겹받침이 모음으로 시작된 조사나 어미... 뒤엣것만을 뒤 음절 첫소리로 옮겨 발음한다」겹받침の代表音・例外・母音が続くときの読み方(넋[넉]、앉다[안따]、여덟[여덜]、값[갑]、닭[닥]、삶[삼:]、읽거나[일꺼나]、값을[갑쓸]、닭을[달글]など)と、제12항のㄶ・ㅀ(많고[만코]、잃지[일치]、않네[안네]、많소[만쏘]、닿소[다쏘]、많아[마나]、잃어[이러])を確認(2026-09-27閲覧、2026-10-07再確認)
  • JIN『韓国語100日マスター』(KADOKAWA) p.37「ただし、ㄺの場合は左の「ㄹ」を読む韓国人がけっこう多いです」原則と実際の発話に違いがあることを確認
  1. 位置で変わる子音(ㄹ)子音ㄹの音が、位置によって変わる理由が分かります。
  2. ㄴの挿入(ㄴ첨가)複合語で書かれていないㄴの音が、発音される理由が分かります。
  3. 외・왜・웨と의の発音(이중모음)외・왜・웨が同じ音になる理由と의の読み方が分かります。
  4. 平音・濃音・激音(평음・경음・격음)語頭の子音3種類の違いが、聞き取りと発音で区別できます。